化粧品安全性報告書とは?
CPSRとは、Cosmetic Product Safety Reportの略で、欧州やイギリスで化粧品を販売するために必要な一連の規制要件の一部です。具体的には、以下の4つの要素が必要です:
1.化粧品情報ファイルまたは PIF - CPSRを含む製品情報ファイル;
2.EU規制に適合している製品ラベルと、それに関連する様々な訴求の立証資料;
3.製品を輸出し、イギリスでも販売する場合は、欧州のCPNPポータルおよびイギリスのSCPNポータルに通知すること;
4. EUおよび/またはイギリスでの責任者の設置
上記4点のうち1つでも遵守できていない場合、間違いなくその化粧品は法律違反となり、欧州圏内やイギリスで販売することはできません。
化粧品安全性報告書(CPSR)、その重要性、要求事項とは?
この記事では、CPSRと略される化粧品安全性報告書について、より明確で詳細な情報を提供していきます。英語では、CPSRは一般的に「Safety Assessment」とも呼ばれています。
CPSRはどこに収録されますか?
まず、この記事の冒頭で述べたように、この非常に重要な文書や資料はは、各化粧品のPIFに含められPIFの一部となります。実際には、製品情報ファイルは様々なサブフォルダからなるデジタルフォルダであり、その中にはさまざまな資料(多くはPDF) が含まれており、この一部としてCPSR が含まれています。
具体的な規制やガイドラインについて
参考となる規則は、前述の通り、化粧品に関する欧州規則であり、具体的には、SCCS-消費者安全科学委員会が提供するガイドラインであり、そこには、欧州における化粧品成分の試験とその安全性評価の様々な側面に関する重要な情報が記載されています。SCCSは、化粧品の成分に焦点を当てていますが、同時に最終製品の安全性評価に関するアドバイスも提供しています。SCCSが強調しているように、このガイドラインの目的は、化粧品に関する現行のEU規制の遵守を向上させるために、公的機関だけでなく化粧品業界にも助言を与えることです。
SCCSは、本ガイドラインが定期的に見直され、科学的知見の発展や試験評価および成分安全性の分野で得られた新たな経験に基づいて得られた情報を追加するために更新されることを明記しています。
CPSRなしで欧州へ化粧品を輸出することのリスクとは?
CPSRと国家機関による検査の重要性
CPSRは化粧品を欧州やイギリスの市場に出す際に最も重要な文書であるとさえ言えます。同時にPIFの他の文書や、ラベル、適合処方、欧州やイギリスへのの届け出、責任者の設置も重要です。
そのため、PIFにCPSRの記録がなかったり、CPSRの作成に怠慢があったりした場合、非常に厳しい金融制裁(責任者が事業を行っている加盟国が定める制裁規律に依存)、市場からの即時撤退、さらにはRAPEXへの通告につながる恐れがあります。。RAPEXはEU各国当局の監督システムです。貴社の化粧品ブランドがRAPEXに登録されれば、貴社の全製品に対して体系的かつ綿密な検査が行われることになります。
化粧品安全性報告書は誰によって作成するのか?
CPSRの作成に対応するのは、欧州および、もしくはイギリスの責任者であり、この責任者がCPSRを作成する専門家(いわゆる化粧品安全性評価者)を任命する必要があります。(責任者は、評価者が要求するすべての書類を製造業者および供給業者から提供しなければなりません)。責任者は、安全性評価者が適切な資格(当該分野での経験と適切な学歴)を有していることを確認しなければならない。
欧州で化粧品を合法的に販売するのに、なぜCPNP番号だけでは不十分なのか?
CPNPポータルへの届出は、届出番号が生成され(PIFに記載されることが極めて望ましい)、責任者が製品を上市することを宣言するプロセスとなります。。そこでは、製品の安全性の評価に関する情報は提供されず、同システムからもからも要求はされません。
しかし前述したとおり、法に遵守した化粧品をEU圏およびイギリスで販売するには、安全性評価に関する情報を準備することは必須です。
化粧品安全性報告書にはどのような情報を含むのか?
実際には、CPSRはパートAとパートBの2つのパートから構成されています。EU化粧品規制1223/2009 では、化粧品が人の健康に及ぼす危険性を特定し、定量化するために、安全性評価者は、製品に関する全情報を収集し精査しなければなりません。
PART Aには、化粧品の安全性に関する情報が含まれています。
PART Bには、化粧品の安全性評価が含まれています。
安全性報告書の更新頻度は?
EU化粧品規則nr.1223/2009の第10条は、「化粧品安全性報告書は、製品の上市後に発生した追加的な関連情報に鑑みて、最新の状態に維持されること」と規定しています。これは、完成した化粧品に変更があった場合(新しい処方など)や、新たな制限(許容濃度、製品の種類など)、あるいは成分の使用禁止など、法律が更新された場合には、CPSRを改訂しなければならないことを意味しています。
もう一つの理由は、好ましくない影響に関する新たな情報が出てきた場合です。例えば、試験中の製品に関するRAPEXへの通知が登録され、セーフティアセッサーはこのイベントを登録し、最初のイベントのような新たな望ましくない影響を避けるために問題を調査する必要があります。
ちなみに、安全性評価書の改訂頻度については、規則には明記されていません。ただ、常に最新の状態に保たなければならないと記されています。
結論として
前述してきたとおり、EU規制に基づいた安全性評価は、高度な資格を有し、欧州規制を深く理解し、経験と実績のある安全性評価者に依頼することが不可欠です。
当社の安全性評価者は高度な資格を有し、CPSRのパートBに署名するために必要な学位証書を取得しています。
詳細はお問合わせください。